【2025年採用現場のいま】岡山県内中小企業の人材不足と、Z世代という新しい働き手への向き合い方

1. 中小企業の人材不足:その実態と見えにくい要因

少子高齢化が進行するなか、全国各地の企業で「人手が足りない」という声が年々強まっています。特に岡山県のように地域密着型の産業が多いエリアでは、中小企業の人材不足が深刻です。

求人を出しても応募がない、面接に来ても辞退される、せっかく採用しても短期間で辞めてしまう——そんな悩みを抱える経営者は少なくありません。

こうした人材不足の背景には、単純な人口減だけではなく、以下のような複合的な要因が潜んでいます。

  • 求職者との価値観のギャップ
  • 情報発信の不足(求人内容や企業文化が伝わっていない)
  • 働き方や待遇の柔軟性の欠如
  • 若者にとって魅力ある「理由」が企業側から提示されていない

とくに、近年注目されているのが「Z世代の採用」という新しい課題です。

2. 採用現場に現れた「Z世代」という新しい世代

いま、20代前半の若手人材が就職市場の中心にいます。この世代は一般に「Z世代」と呼ばれ、スマートフォンやSNSとともに育ったデジタルネイティブです。

Z世代は、これまでの世代とは働くことに対する価値観が大きく異なります。たとえば彼らは、「安定」や「給与の高さ」だけで職を選ぶのではなく、以下のような要素を重視します。

  • 自分らしさが発揮できるかどうか
  • 職場の人間関係や風通しのよさ
  • 社会に対して意味のある仕事かどうか
  • 成長の機会があるか、スキルが身につくか
  • プライベートとのバランスがとれるか

つまり、単に待遇や職種を並べるだけの求人票では、Z世代には響かないのです。むしろ、職場の雰囲気や、社員の声、やりがいなどの“ソフト情報”が求職者にとっての決定打になることが多いのです。

3. Z世代との「ミスマッチ」を避けるために

岡山県よろず支援拠点に寄せられる相談の多くは、採用に関するものです。企業側からは「若手がすぐ辞める」「何を求めているのか分からない」といった声が聞かれます。

しかし、これは必ずしも若者側に問題があるとは限りません。むしろ、“見せ方”や“伝え方”が今の若者に合っていないことがミスマッチの原因になっているケースが多く見られます。

たとえば、以下のような事例が実際にあります。

● 成功事例1:SNSでの採用広報が奏功した製造業
Instagramを活用して「働く社員の日常」を発信したことで、求職者からの共感を獲得。動画や写真で職場の雰囲気が伝わり、専門学校卒の若者が2名応募・採用につながりました。

● 成功事例2:事務員ではなく「SNS担当者」の募集でZ世代の応募が増加 サービス業
おもしろそうな仕事だ、SNSなら得意、という人材を募集することで若い世代の事務員が入社、社内は明るくなり、新しいアイディアが増え、既存社員も引っ張られて士気が上がっている

「事務員の募集」ではなくどんな仕事をするのか、この会社に入社すると面白そうといった応募者の心に響く募集をすることがポイントなのです。

4. よろず支援拠点ができること:中小企業のための伴走型支援

よろず支援拠点では、岡山県内の中小企業が抱える「採用活動の課題」「若手人材の定着」といった悩みに対して、無料で相談・支援を行っています。

特にZ世代との接点づくりにおいては、以下のような支援メニューがあります。

– 伝わりやすい言葉選び
– Z世代向けのストーリー設計
– 働き方や魅力の見える化

– Instagramや動画による発信方法のアドバイス
– 採用ページや特設サイトの作成支援
– SNSを活用した地元高校・専門学校との接点づくり

– オンボーディング設計(入社後研修やフォロー)
– 企業文化づくり(対話の仕組みづくり、メンター制度など)
– 柔軟な働き方導入の提案

– 必要なスキルだけを短期間で補う柔軟な人材戦略の導入支援

5. 「人が来ない」を変えるには、まず“伝え方”から

いま、企業に求められているのは、「良い条件を提示する」ことよりも、「誰に、何を、どう伝えるか」という戦略の再構築です。

Z世代は「情報を探す」よりも「自然と流れてくる情報(SNSなど)」の中から仕事を見つけます。自社を知ってもらう入口を広げ、共感を生み、ミスマッチのない採用を目指すことが、中小企業の未来を支える第一歩になるでしょう。

6. さいごに:人材に困らない企業は、「人を理解する企業」

「最近の若い人は何を考えているか分からない」
そんな風に感じるのは、決して企業だけではありません。若者側も、「自分を理解してくれない企業に馴染めない」と感じているのです。

だからこそ、対話と共感、そして時代に合った採用の考え方が、これからの中小企業には欠かせません。

岡山県よろず支援拠点では、“経営”と“人”の橋渡し役として、企業ごとの課題に寄り添い、長く人が育ち、働き続けられる環境づくりを全力でサポートしています。

採用に悩むすべての中小企業に。まずはご相談ください。
よろず支援拠点は、あなたのとなりで「人を活かす経営」を一緒に考えます。

【 相談可能CO 】

社会保険労務士:小林CO

社会保険労務士:北根CO

採用コンサルタント:森本CO

人材コンサルタント:清田CO